見守りロボ「Dream Care」が入居者の安心・安全を守る?新しい介護のカタチ

介護施設で起こるトラブルとして、入居者同士の喧嘩や揉め事といたものが挙げられます。また、認知症の入居者が部屋を抜け出し、ベランダから飛び降りてしまうという事故も起きているのです。

このような事態を受け、利用者の家族からは「自分の親を介護施設に入れて本当に大丈夫なのだろうか」「安全は守られるのだろうか」と、施設の安全面を不安視する声も多くあがっています。

そんななか、入居者の安心や安全を目的に開発された見守りロボ「Dream Care」が注目を集めています。高齢者施設向けの見守りシステムはいくつかありますが、従来のモノと比べて点が優れているのでしょうか。今回は、開発元の株式会社DREAM TOKYOを元を訪れ話を聞いてきました。

<話を聞いた人>

松村 忠典(まつむら・ただのり)さん

株式会社DREAM TOKYO営業部部長。今後は、在宅介護でも「Dream Care」を導入できるよう新たな機能を追加していく予定だという。

見守りロボ「Dream Care」とは?

「Dream Care(ドリームケア)」とは、入居者の生活を見守る新しいカタチの介護支援システムです。

呼吸や脈拍レベル、体の動きを検知することが可能なバイタルセンサを搭載。録画や録音機能により、入居者の安全面のみならず施設のリスクマネジメント管理にも活用することができるのです。

また、記録したデータはスタッフと入居者間に起きたトラブルの誤解を解くための証拠としても役立ちます。映像や音声を記録するカメラが部屋に置かれていると、「見られている」という意識が強まり抑止力も見込めるのだそう。

現場目線の見守りロボ「Dream Care」

ーーまずは、見守りロボ「Dream Care」を開発した経緯を教えてください。

松村さん:はい。介護スタッフの方々からの意見をもとに開発いたしました。介護施設に伺うと、現場で起こりうるさまざまなトラブルを改善できるツールが欲しいとご相談を受けることが多々ありまして。私たちが知らないだけで介護現場では、入居者同士の喧嘩、転倒による怪我、認知症患者の徘徊、介護スタッフへのセクハラ行為など、多くの問題を抱えているんです。

また、介護業界における人材不足も年々加速しています。現場では、1人休んだら回らなくなるくらいのギリギリの人数で入居者のサポートにあたっているのが現状です。

ーー2025年には、およそ38万人の介護職員が不足すると言われ社会問題になっていますね。

松村さん:夜間勤務の見回りや朝の起床介護においては、1人の入居者に対してスタッフが3人体制でサポートをおこないます。入浴や排泄のサポートは重労働なうえに、これを少人数でおこなうのは非常に大変です。このほか、食事や飲んだ薬の管理といった事務作業がプラスされます。

ーー介護現場で起こる、さまざまなトラブル問題を解決するソリューションとして生まれたのが、見守りロボ「Dream Care」だった。

松村さん:はい、そうです。少しずつではありますが、おかげさまで導入いただける施設も増えてきています。

2人以上の動きを感知すると録画・録音機能が起動

ーーでも、「カメラ=監視」というマイナスなイメージを持つ人も多い気がします。24時間365日ずっと監視されることに、プライバシーへの配慮を問題視する人も多いのではないでしょうか。

松村さん:確かに、従来の介護用の見守りロボは入居者の安心・安全配慮のためにと監視にフォーカスしたモノが多かったと思います。しかし、弊社の「Dream Care」は1年365日24時間ずっとカメラ録画・録音がされているワケではありません。

ーーでは、どういった場合に録画や録音機能が使われるのでしょうか?

松村さん:2人目の入室を検知した場合や、大きな動きを感知した場合のみ録画や録音機能が起動します。初期設定の際に、入居者それぞれの活動値を設定し、それ以上の値を感知した場合に作動するというものです。

これにより、ベットから起き上がる際の転倒による怪我や、入居者からの性的嫌がらせ防止にも役立ちます。

ーー異常がある場合に起動するシステムになっているんですね。でも、介護スタッフはどうやってその状況を確認するんですか?

入居者の状態は、「睡眠」「安静」「活動」「不在」4つのアイコンで表示される。過去のデータを遡り、睡眠時間の変化なども確認できるという。

松村さん:インターネットでパソコンにつなげば、離れた場所からいつでもバイタル値(健康管理や患者の状態を把握するのに重要な体の指標)や、睡眠・安静・活動・不在の状況確認ができます。

人員が不足する夜間勤務のときなど、部屋をまわらなくても入居者の活動状態をひと目で確認できるようになるんです。部屋を一室一室まわってドア越しに入居者の様子を見るだけでは、本当に眠っているのかどうかはわかりませんから。

離れて暮らす家族も安心

ーーベットから起き上がったときに体のバランスを崩して、転倒して頭をぶつけて怪我をしてしまう可能性も十分起こり得ますよね。発見が遅れて対応が遅れてしまう、という心配はないのでしょうか?

松村さん:離床、バイタル異常、徘徊を検知した際には、異常を知らせるアラート機能もついています。ですので、異常事態時もすぐに駆け付けることができ、発見が遅れる心配はありません。

また、アラーム音が鳴るのと同時に、パソコンの画面にメッセージが表示されます。登録しててある家族やスタッフのメールアドレスにも、同じ通知がいくように設定できるんです。

ーー入居者の容体変化にいち早く気づけることで、早期発見や早期対応につながりますね。でも、入居者がベットから起き上がっただけなのに活動値が高いと判断して、誤報が起こるという心配はありませんか?

松村さん:誤報を防ぐため、ひとりひとり細かな設定ができます。また、2018年4月には新たにスナップ写真機能を追加しました。これは、アラーム音が鳴った場合に必要があれば、入居者の様子をカメラで撮影し、PC画面に表示させるというものです。何が起こっているのかをすぐに確認できるので、誤報による介護スタッフの混乱も防ぐことができます。

ーー入居者のプライバシーを守りつつ、スタッフの精神的な負担も軽減できますね。

松村さん:そうですね。やはり、「カメラ=監視」だとネガティブなイメージを持たれる方も多くいらっしゃいます。入居者にとっては自分の部屋が、住まいや居場所になるわけですから。だから販売当初は、入居者ご本人はもちろん、ご家族の同意がいただけるかどうかが非常に心配な点ではありました。

ーー実際に導入してから入居者のご家族の方からの反応はいかがでしたか?

松村さん:「何か異常があった場合はお知らせメールが来るから、離れていても安心」と、喜びの声をたくさんいただいております。

施設の方々からも「転倒回数が減り、怪我が少なくなった」「アラート機能によって迅速な対応ができるようになった」と言っていただけるのは、本当に嬉しい限りです。

今は介護施設での導入が中心ですが、ゆくゆくは在宅治療でも役立てるようさまざまな機能を増やしていきたいと思っています。

まとめ

見守りシステム「Dream Care」を導入することによって、入居者のプライバシーを守りつつ、遠く離れた場所からでも大切な家族の安否確認ができるようになるのです。

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